5月10日、町田市生まれの造形美術家の三橋國民さん( 93)に、町田市名誉市民の称号が贈られました。市内には三橋さんが制作した3つのモニュメント、原町田大通りの「明けゆく」、薬師池公園の「自由民権の像」、町田市役所こもれび広場の「ファイブ ストーンズ」が設置され、多くの人達の目を楽しませています。名誉市民は3人目の受賞であり、文化の向上や発展に貢献してきた功績が認められたものです。
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金箔で描かれた姿が水にゆらゆらと映る幻想的な潮音大仏に見とれてしまいます=釈迦堂
受賞の喜び
「町田市民の1人として文化向上を願い、活動してきたことが理解してもらえて嬉しい」と受賞の喜びを語る三橋さん。多くの人達が芸術に触れる機会を増やし、芸術文化のレベルが上がる活動をしています。
勝楽寺への思いが創作に
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絵画や彫刻等、三橋さんの作品の数々を自由に見学できます
JR町田駅ターミナル口近くの勝楽寺(電042・722・3147)に昨年4月にオープンした釈迦堂には、同寺の檀家(だんか)総代でもある三橋さんが手掛けた金箔(きんぱく)を使った高さ約9メートルのフレスコ壁画「潮音大仏」が中央吹き抜けに設置。各階には「十大弟子水墨画立像」等が展示。
また、堂内には三橋さんの作品が観覧できるギャラリー「三橋國民鎮魂祈念館」も完成しました。同館に寄贈された約200点に及ぶ作品の中から約20点を、毎年2月に入れ替えをしながら展示予定です。
釈迦堂は観覧無料。無休。午前10時~午後5時。 2008年に勝楽寺に完成した「無量寿の塔」の設計や施工にも携わり、本堂内の天蓋や天井画、ふすま絵も手掛けました。塔の上に立つ大相輪は古代の甲骨文「無」を形象化したもの。荘厳な仏教工芸美術作品を、境内のあちこちで見学することが出来ます。
創作づくりの原点は鎮魂と平和
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自宅でにこやかにインタビューに答えてくれた造形美術家の三橋國民さん
三橋さんは太平洋戦争のニューギニア戦で、所属する部隊40人のうち2人のみが生き残り、重傷を負いながらも帰還した1人。その体験から「戦没した友への鎮魂、平和への祈り」を創作のテーマとして彫刻や絵画、鋳金、石造等と幅広い創作を続けてきました。
1979年に日展内閣総理大臣賞を受賞、2010年には東京都文化功労者、文部科学大臣地域文化功労者として表彰の経歴も。
さまざまな分野で活躍する創作活動
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勝楽寺に昨年完成した三橋國民鎮魂祈念館
著書は「鳥の詩 死の島からの生還」「生きて還れぬニューギニア」他があり、その体験記「鳥の詩」はドラマ化されベストセラーになる等、数々の分野で活躍をしてきました。作品は、福井県・永平寺の「道元禅師薙髪像」はじめ、全国に点在しています。